つり銭詐欺

現在ではレジ自体が自動化されて、バーコードの読み取りからおつりの支払いまで楽にできるようになっている。

まだそこまで進歩していない所であれば、買い物のつり銭が多かったり少なかったりすることがたまにあるかもしれない。
それを逆用してお金をせしめるのがつり銭詐欺である。
寸借詐欺と並んで、手口としては最もポピュラーなものの一つで、高齢者が一人で店番をしているタバコ屋などが狙われやすい。

さりげなく五千円札を出してタバコを一箱買い、店番の人がその札をすぐにレジに入れるようならチャンスとなる。
おつりが出てきた時に「一万円出したのにおつりが足りないよ」とやるわけだ。

よほどしっかりした人でもない限り、「絶対に五千円だった」と言い切る自信はないであろう。
ちょっと強い調子で「足りないよ!」とされれば、変だなと思いながらも払ってしまうのだ。

札を出す時に、「大きいのでごめんね」などと言って、札への注意力をそらしながら「一万円だった」と印象付けるのもテクニックの一つである。

ただしつり銭が出てくる時に、レジの中に一万円札と五千円札の両方があることを確かめるのを忘れてはいけない。
いくらぼーっとしたおばあちゃんでも、お金を受け取った後にレジに一万円札がなかったり、なかったはずの五千円札がある時は騙されようがない。
「あんたの勘違いだよ」で終わってしまうのがオチだ。

ファーストフード店などで高額紙幣を払うと「一万円入ります」「サンキュー」とやるのは、こうした詐欺を防ぐためにあると考えてよい。

お店の人によっては、五千円札をレジに入れず、そのままにしておいて、おつりを出してくるケースもある。
そんな時は、さっさと小銭だけを引き上げて、新たに千円札を追加。
「一万円に両替して」とやる方法もある。
お店番の注意力が散漫だと、思わず一万円札を出してしまったりすることもあるらしい。


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